競馬では競走馬の血統に注目
競馬では競走馬の能力を正しく理解するために血統が重要なデータとなります。優秀な成績を残した競走馬は子孫にその遺伝子を受け継がせるために積極的に繁殖させるため、競馬はブラッドスポーツと呼ばれます。
現在のサラブレッドたちの父系の血統は3頭の馬のいずれかに該当します。ダーレーアラビアンとゴドルフィンアラビアン、バイアリータークの3頭で、これらは3大始祖と呼ばれます。ダーレーアラビアンから5代目の子孫にあたるエクリプスは競馬で大いに活躍しました。26戦全てにおいて勝つという偉大な成績を残し、エクリプス系子孫がたくさん誕生し現在は全体の90%以上を占めます。1881年に誕生したセントサイモンや20世紀半ばのネアルコがダーレーアラビアン系を他の系統よりもはるかに強い血統にしました。
ゴドルフィンアラビアンはダーレーアラビアン系を強くするきっかけとなったエクリプスの母の父にあたる馬です。3代目のマッチェムがこの系統を盛り上げたのでマッチェム系と呼ばれます。しかしヨーロッパではあまり有望視されておらず、マッチェムは競走馬ではなく種牝馬として尊重されました。
アメリカでスペンドスリフトが父系の影響力を強めました。バイアリータークは種牝馬としての能力が低く消滅しかねない系統でしたが、5代目のヘロドによりエクリプスに負けないほどの称賛の声を集めました。しかし19世紀後半になると勢力は衰え後継もあまり育たないので、かつての強さが戻る可能性は低いです。